この舌を噛みそうな試験の制度が何やらもっさり変わるらしいです。

まぁなんといっても一番の変更点は
初級シスアドがなくなること
ではないでしょうか。
それに代わる試験が新設されますが,100%「初級シスアド」ではないため,
名称が変わるのではなく,「初級シスアド」自体がなくなります。

時代とともに資格制度が変わるのは仕方のないことだと思います。
この資格はいわゆる『国家資格』といわれる資格の一つです。経済産業省が認定しています。
就職活動に有利だったり就職後に資格手当てなるものがもらえたりとIT業界に関わろうと思っている人やすでに関わっている人にとっては持っていて損の資格だと思います。

実際オレは第二種情報処理技術者試験を持っており,
資格手当てをもらっていたこともあります。
面接段階でその人を評価するのは資格しかない。
初対面で「この人は何ができるのか?」を知るのは不可能だと思います。
資格をもっていれば「最低限の知識」はある意味保障されていると言っても過言ではない。
さらに資格を取るために費やした時間も評価されるはずです。要は「やる気」を買われるわけです。

ま,オレの場合は取得からすでに10年近く経っているので価値は皆無と言ってもよいでしょう…Orz
実はこの秋の試験で受けなおすつもりだったのですが諸事情により今回は見送ることにしました。
そして来年の春に受けようと思っていたらこの情報が飛び込んできました。

全面的に新制度に移行するのは平成21年度春期からだそうです。

以下にざっと現行と新制度をまとめます。
※2007年9月7日現在,まだ議論中であり新名称などは仮称です。
現行 新制度
初級システムアドミニストレータ試験 エントリ試験
(レベル1)【春・秋】
基本情報技術者試験
(元第二種情報処理技術者試験)
名称変更なし
(レベル2)【春・秋】
ソフトウェア開発技術者試験
(元第一種情報処理技術者試験)
応用情報技術者試験
(レベル3)【春・秋】
「エントリ試験」は「初級シスアド」の代わりではありません。冒頭でも書いたように「代わる試験」ですが100%「初級シスアド」ではない。が,位置づけとしてはこのあたりかと。
で,「初級シスアド」ですが,「エントリ試験」と「基本情報技術者試験」に吸収されるようです。
ついでにもう一つ。
午後試験のプログラミング言語だが,現在2問ありますがこれが1問になります。
さらにC,Java,COBOL,アセンブラのほかに「表計算」の問題が加わります。
「表計算」追加の目的は「論理的思考力を問う」だそうです。
おそらく初級シスアド吸収の一環かと。
これにより敷居が低くなると考えられます。
初級シスアドの問題が吸収されたり,必ずしもプログラミング言語を必要としないことから基本情報技術者試験の難易度は下がると思われます。
逆に拡張された(難易度が上がった)試験もあります。
現行の「アプリケーションエンジニア試験」が拡張され,「システムアーキテクト試験」に変わります。

次に,以前「スペシャリスト」と呼ばれており,現在は「テクニカルエンジニア試験」と呼ばれているもの5つとアプリケーションエンジニア,プロジェクトマネージャ,システムアナリスト,システム監査,そして上級シスアドと情報セキュリティアドミニストレータについて。
新制度ではこれらすべてをひっくるめて高度試験と呼びます。
現行 新制度
テクニカルエンジニア試験 ネットワーク
(元ネットワークスペシャリスト)
ネットワークプロフェッショナル試験
(レベル4)【秋】
テクニカルエンジニア試験 データベース
(元データベーススペシャリスト)
データベースプロフェッショナル試験
(レベル4)【春】
テクニカルエンジニア試験 情報セキュリティ 情報セキュリティプロフェッショナル試験
(レベル4)【春・秋】
情報セキュリティアドミニストレータ試験
テクニカルエンジニア試験 エンベデッドシステム 組込みシステムプロフェッショナル試験
(レベル4)【春】
テクニカルエンジニア試験 システム管理 ITサービスマネージャ試験
(レベル4)【秋】
アプリケーションエンジニア試験 システムアーキテクト試験
(レベル4)【秋】
システムアナリスト試験 ITストラテジスト試験
(レベル4)【秋】
上級システムアドミニストレータ試験
プロジェクトマネージャ試験 名称変更なし
(レベル4)【春】
システム監査技術者試験 システム監査プロフェッショナル試験
(レベル4)【春】
以上が現行を新制度に直したものです。
一つの試験に統合された試験が二つあります。
気になっている人もいると思いますが,

レベル1~レベル4って何?

これはこの改正から「共通キャリア・スキルフレームワーク」というものに則って行われており,高度IT人材育成を目的として構築されたものでレベル1からレベル7まであります。ピラミッド型の構造と考えたほうがわかりやすいかもしれません。一番下がレベル1で頂上がレベル7(最大)です。
このレベル1からレベル3までを新試験で判定するそうです。レベル4の判定を受けるには高度試験の合格が必須であり,そのほか業務経験などが考慮されるそうです。
将来的にこの「レベル」が評価されるのだろうか?
就職するときとか「レベル」を聞かれるのか?
きっと,そのときに遊んでいるRPGなどのレベルを答える人がいるはずだ。

新制度の実施時期は,平成20年度秋期試験から「エントリ試験」がペーパー方式でスタート。このときから「初級シスアド」は実施されなくなります。つまり「初級シスアド」は平成20年度春期試験が最後となります。
平成21年度春期試験から全て新制度体制でスタート。
なお「エントリ試験」は将来的に(平成21年度?)CBTの導入を目指す。
CBTとは「Computer Based Testing」の略で,PC(インターネット)上で試験を受けることのできるシステムのこと。その場で結果がわかるのかな?
Oracle Master試験みたいな感じか。
CBT導入後も身体障害者向けにペーパー方式は継続するらしい。

その他の変更点は一部の試験で実施時期が変わったり,「高度試験」について午前Ⅰ(共通)と午前Ⅱ(専門)に分かれるなどです。
午前分割については午前Ⅰ試験の免除制度があるみたいです。
・応用情報技術者試験合格者
・高度試験合格者
・高度試験の午前Ⅰで一定の成績をとった人
以上3つのうちどれか一つにあてはまる人は2年間午前Ⅰ試験の免除が受けられます。
なお,現行制度でソフトウェア開発技術者試験に合格した人は応用情報技術者試験の合格者システムアナリスト試験・プロジェクトマネージャ試験・アプリケーションエンジニア試験の合格者は高度試験の合格者として扱われ,新制度開始後はそれぞれに免除制度が適用されます。

以上,情報処理技術者試験の新制度についてまとめてみました。
もう一度書きますが,まだ最終決定ではありません。最終決定は11月下旬に発表予定だそうです。

投稿者 Kunikatsu

『プログラマ的Webクリエイター/デザイナー』 1998年-プログラマとして社会人デビュー。 2001年-バンド活動に本腰を入れるためフリーターになる。 その間にWEBに興味を惹かれて独学で学ぶ。 2008年-フリーター生活に終止符。WEBRAINSという個人事業を立ち上げる。 このサイトは個人事業とは別であり,至極プライベートなネタを発信。

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